1993年製 K-1の修理
修理箇所は
「バウキールのリブを留める金属プレート」
お電話で破損状況を伺い、パーツ部分が頭に浮かびます。
破損は、こちらの部分
本来は写真で見える穴の部分にリベット留めされているパーツです。
小さなパーツですが、このパーツが欠損するとリブが付けられず組立ができません。
特に、キール部分・・・カヤックの脊椎とも言えばいいでしょうか・・・
のパーツなのでとても重要です。
何故このパーツが取れてしまったか?
パーツの下の玉のような物、これがリベットの末端部。
フレームの内側で留めるべき部分が塩害から腐食し、ちぎれてしまっていたのですね。
アルミニュウムを腐食させるとは、塩害はやはり恐るべしです。
穴の周囲を見ると、多少なり塩害からの痕跡も見受けられます。
真鍮ブラシを軽く当てこすればこの通り
表皮の部分に痕は残るものの、錆などは除去されます。
まだまだ充分に現役として使用可能です。
同様のパーツ破損がもう1箇所
こちらの穴は18年の歳月を感じさせない程の良い状態。
先ほどの破損部と合わせて2セットのパーツを用意します。
リベットは腐食に強いステンレス製を使用。
これらのパーツを・・・
このように組んで・・・
先ほどの2つの穴へ差し入れます。
そして、リベットを取り付ける工具でリベット固定
左、施工前 右、施工後 ビフォアー&アフターの共存ですねーー。
そして左もアフターとなるとこの通り
本来持つ姿を取り戻しましたー!
はいっ、終了ーーーーっ これで、K-1エリートも海へ出られます。
・・・と、思いきや・・・気になる箇所、発見!
フレームジョイント部のバンジー(伸縮)コード
伸びてしまっているのですね・・・
右の黒いのが新品のバンジー(伸縮)コード
フレームの間のコード、明らかに細くこの状態で返す訳にはいきませんっ
コード末端部を見てみれば、やはりこのままでは・・・むぅぅぅ
そしてフレームはボール盤の万力に挟まれて、ばらされる運命に
エンド部分の処理も施して
防錆防腐オイルを塗布して
今度こそ終了ーーーーっ!
これで安心して返納できます よかった(笑)
1993年製 K-1エリート
当時のK-1のバウプレートはこのように溶接によって作られていました。
コクピット部分のフレームも、溶接を駆使した美しいフレーム構造を有していました。
新しいほど良い、古いから価値がある
そういった事に関してはそれぞれの方の考えであっていいかもしれません。
私が一つ言えることは、このカヤックが道具として使われ続けられている事
修理をされ、これから先も使われていく事
それがとても嬉しい事です。
うん、修理させてもらえて良かった(笑)
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岩手県 陸中海岸 鵜の巣断崖へ向け小本を出艇
「北山崎レストハウス営業中
道が悪い箇所がありますので、お気をつけていらしてください。」
わずか2行の言葉が、とても温かいものに感じます。
手伝いとか、物資運搬ではなく、
純粋に遊びに行かせてもらいます。(笑)
あの海を漕ぎたい。
あの人に会いたい。
東北関東大震災義援金 日本赤十字社のサイト
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